日中韓会議

2年に一度、日中韓鑑定評価協力会議という業界団体の国際交流会があり、先日横浜市で開催されたので、参加してきた。

 

この会議は日中韓の不動産鑑定の専門家が集まり、事前に決められたテーマについて、各国の代表者が発表を行うという会議である。今回は日韓関係の悪化により、韓国からは発表者の二人だけの出席にとどまり残念な面もあった。

 

テーマは「先端技術と不動産」と「シェアリングエコノミーと不動産」で、各国2名がスピーチを行った。

 

日本の発表者は、いずれも日本の実情に基づく発表内容で、具体性があり、同じ日本人ということもあり、非常に分かりやすく共感できる内容であった。

これに対して、中国人の発表者2人はいずれもブロックチェーン等を活用した最先端の評価システムの導入可能性等についてスピーチをしていたが、はっきり言って、よく理解できなかった。発表者の一人は中年女性で、すごい迫力であったが(男性発表者もすごい迫力)、表層的な話ばかりで、つまらなかった。本当は中国の不動産市場や評価の実情などに基づいた具体性のある話が聞きたかったのだが。韓国人の発表内容は、韓国社会を反映した内容で、中国人の内容よりも具体的であった。

 

当日は同時通訳が付き、同時通訳のレベルは標準以上であったが、事前配布資料の翻訳がひどかった。特に中国語の日本語への翻訳がひどく、中国人が日本語に翻訳した文章を、ノーチェックのまま、資料として配布したものと思われる。

 

私は4年前に北京で開催された会議にも出席したが、こういった国際会議等で、中国人が自国の問題点について本音で話すことはほとんどないと思われる。中国人の場合、特に上層部になればなるほど国家の影が強くなり、当たり障りのない話になってしまうのではないか。実際、今回の男性発表者も、冒頭に「習近平国家主席が進める先端技術立国に基づき・・・」と、習主席を持ち上げるような話から始めている。中国人の本音が聞きたいところである。

 

2年後の次回は、中国の成都で開催予定である。