理想と現実

 福島県内に福島ホープスという名のプロ野球独立リーグのチームがあるが、経営難に陥り、この度、別会社に事業譲渡されたとの記事が報じられていた。

 

 3年程前、ある会合に出席した際、ゲストとして出席していた福島ホープスの球団社長が、球団のことを熱く語っていた。福島の県民プロ野球球団として、震災後の福島県内を盛り上げていくという熱意を感じたのたが・・・

 

 経営難の原因を自分なりに考えてみると、以下の4つが挙げられる。

①独立リーグであることから、Jリーグのような昇格や降格がなく、天皇杯のようなプロ・アマ交流戦等もないので、流動性に欠け、マンネリ化してしまうこと。毎年同じことの繰り返しでは、飽きてしまう。

 

②福島県内には福島市、郡山市、いわき市の3都市が併存して互いにライバル視しており、いずれかの都市を本拠地とするチームスポーツへの全県的な支持が得られず、求心力に欠け盛り上がらないこと。

 

③話題性がないこと。岩本監督以外、ほとんど知られている選手がいない。(客寄せパンダも必要)

 

④価値観の多様性。昔のように野球一人勝ちの時代は終わり、様々なスポーツに興味は分散している。また、娯楽も多様化している。

 

 選手は一生懸命頑張っているのだと思うが、はっきり言って興味を掻き立てるような要素が決定的に不足している。事業譲渡により、名称は福島レッドホープスに変わったが、来年も同じことを続けるだけでは、先行きは明るくない。

 

 理想と現実。現実は厳しい。