福島第一原子力発電所

 今週、福島県不動産鑑定士協会の一員として、福島第一原子力発電所の見学会に参加した。

 

 厳重なセキュリティチェックの後、バスに乗り込み、構内を案内してもらった。構内の放射線量は思っていた以上に低く、1マイクロシーベルトに満たない所もある。構内の法地をコンクリートで固めて放射線を封じ込める等の除染対策が功を奏しているようだ。構内のほとんどのエリアが防護服なしで作業可能であり、実際、作業員もほとんど普通の作業服姿だ。見学した私たちも長そで長ずぼんであれば、普段着で大丈夫であった。しかし、さすがに事故を起こした1号機~4号機周辺は放射線の値が高く、2号機と3号機の間をバスで通り抜けたとき、放射線量は230マイクロシーベルトを示していた。

 

 水素爆発を起こした1・3・4号機は上部の鉄骨がむき出しのままであったが、周辺にがれき等は既になく、整然としている。バスの中から見ているためか、案内係の説明以外、雨の音しか聞こえなく、とても静かであった。これから何十年とかかる廃炉作業のごく初期段階と言える。

 構内は汚染水の保管タンクで埋め尽くされていると思っていたのだが、構内は広大で、全くの思い違いであった。

 放射性物質の除去設備(ALPS)、凍土壁設備等も間近で見ることができた。

 

 構内の大型休憩所にはコンビニのローソンがあるほか、食堂もある。食堂では、A定食、B定食、麺、丼、カレーの5種類から選ぶことができ、オール380円と非常にリーズナブルである。食堂に窓はなく、殺風景な感じはするが、温かいご飯が食べられるのは心がなごむ。我々は午後1時過ぎに食堂に行ったので、2種類しかメニューは残っていなかったが、私は四川風チャーハンをいただいた。厨房係の人が、ご飯の大盛り、普通等の量を聞いてくれるので、ありがたい。1日当たりの作業員数は平均4千人を超えるので、12時過ぎのピークタイムは相当込むのであろう。

 

 今回、不動産鑑定士協会ということで、福島第一原子力発電所を見学することができたが、百聞は一見にしかず、一般にも見学が解放されることを希望する。