自己投資

 大通り沿いに事務所を構え、看板に電話番号を表示しているせいか、営業の電話がよくかかって来る。つい最近も大手証券会社の営業マンから、今度ご挨拶に伺いたいとの電話がかかってきた。興味がないので、悪いけど忙しいからと断り電話を切った。ところが翌日、また同じ営業マンから電話がかかってきたので、忙しいので今後電話はかけないで下さいとはっきり断り、電話を切った。その1時間後、なんとその営業マンが直接事務所にやって来た。挨拶だけでもさせてくださいと頭を下げ、自分の名刺とプロフィールをまとめたA4サイズの紙を差し出してくる。仕方なくそれを受け取ると、昨春に関西の大学を卒業した新入社員で、高校の時は野球部員であったとのプロフィールが記載されている。(この種の猪突猛進型の体育会系営業マンはどうして野球部出身者が多いのであろうか?)しかし、いちいちこのような飛び込み営業マンに同情していたら切りがないので、即刻帰っていただいた。

 

 株や投資信託等の財テクにはほとんど興味がなく、入ったお金は普通預金か定期預金に預けてほっとくだけである。保険も最低限の掛け捨てにしか入っていない。

 

 株は上がれば下がるし、他人は信じても裏切られる可能性があるし、国だって平気で嘘をつく。世の中確実に信頼できるものはほとんどないといってもいいくらいだが、自分自身は決して自分を裏切ることはない。だから自分自身に優先的に時間とお金を投資するのが、最も確実な投資であり、自分自身の質を高めることが、最大のリスクヘッジであると言える。そして、会社や狭い業界の中だけでなく、広く社会に通用する人間になることが重要だと思う。

 

 証券会社の新人営業マン君にも、自分自身に対して投資を行い、自らの価値を高めることをお勧めする。それが長期的観点から見た、最良の生き残り戦略だと思う。