有限

 前回映画館で映画を見たのは何の映画であったろうかと、思い出せないほど久しく、映画館に行っていない。レンタルビデオを借りて見たのも7~8年前のことではないだろうか。ただし、映画が嫌いな訳ではないし、嫌いになった訳でもない。

 我が家にはBS放送もいまだかつて通じたことがない。また、7~8年前にVHSビデオが壊れて以降、テレビを録画するレコーダーも持っていない。

 

 別にケチっている訳ではないが、これは意図的なことでもある。お気づきかもしれないが、共通するキーワードは映像だ。テレビも含めて映像はあまり見ないようにしている。

 

 その理由は、時間が有限であるということだ。人生も折り返し地点を過ぎると、自分に残された時間はどの位であろうかと意識する。限られた時間(とお金)をどのように使うか、それは人間の生き方そのものだと思う。

 

 私は器用な人間ではないし、頭がいい人間でもないので、同時に色々なことをすることができない。限られた時間を有効に使うためには、やらないことを決めることは大切だと思っている。何をやるかということはもちろん重要なことだが、それと同じくらい何をやらないかを決めることは大事である。

 

 一般に、映像は本を読むことに比べて分かりやすく、手軽に楽しむことができる。一方、読むことは見ることと比較して、より主体的な努力が必要であり、映像を見ることに比べて煩わしいと言える。

 私はあえて映像をあまり見ないかわりに、本、新聞、雑誌等を読むことに多くの時間を費やしている。

 これは好みの問題であり、生き方の問題でもある。正解はない。ただ、映画でも読書でも言えることだが、自分の魂が揺さぶられるような作品にどれだけ多く出会うことができるかは重要である。教養とも無関係とは言えない。

 

 時間は限られている。行列に並んだり、ネットゲーム等をするよりは、本でもめくっている方が、自分に合った生き方のような気がする。